沖田くんと夢

妄想 銀魂 沖田総悟
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最高ランク : 67 , 更新: 2017/07/19 8:53:12

『沖田くんは、夢とかあるの?』


膝を抱えて座る彼女は、俺を横目に見ながらそう聞いてくる。突飛な話に戸惑うも、特に無いと首を振った。

彼女は「そっか」と濁しては膝頭に顔を埋めてしまう。


『お前はあんの?』


俺の質問に小さく頷き、ようやく顔を上げた。
背後にある太陽が眩しくて、目を細めながら俺の方を向く。そして「あのね」と話し始めたのだ。


『私、沖田くんとずっと一緒にいたい』


彼女の突然の告白に、俺の目は点になる。
いつもは恥ずかしがって「好き」の一つも言えないくせに、何故か吃らずに自分の願いを唱えた。



『小さい頃はね、お花屋さんになりたいとか、ケーキをお腹いっぱい食べたいとか……そんな、幸せなことばかり願ってたの』



「でも」と言いたいことを紡ぎながら彼女は続けていく。俺はそれを、ただ黙って聞いていた。



『今は、もうそんな願い事なんて叶わなくていいやって、思えるの』



お菓子もケーキも花も要らない。何も要らないと首を振る。俺の服の袖を小さな手で握り、潤んだ目で見上げた。

太陽の光によって瞳はキラキラと輝いて、宝石のようなその目を俺は思わず欲してしまう。



『沖田くんが欲しい。沖田くんだけ、欲しい』



欲ばりなのか、無欲なのか分からないが、そんなの簡単に叶ってしまう願いだと言うことは、一目瞭然である。



『やるよ。俺の全部、お前にやる』



だから……



『お前の全部、俺によこせ』

ハル


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