「夏の夜が見せた夢なら、覚めるな。」#小説

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今日は筆がのりそうだ―――…。




こんにちは、こんばんは。

𝕞𝕚𝕜𝕠𝕥𝕠です。


2回目の投稿からもう物語は始まっているのです。


記念すべき第一話は、先程歯磨きしながら思いつきました。


少しシリーズに出来るかもしれない。。


即興で作らせていただくため、誤字脱字多数あるかと思います。

見返して随時編集しますが、もし宜しければ指摘いただけると嬉しいです。


それでは早速。
下書きなしの勝負を始めます。笑


題名は―――そうですね、『夏の夜が見せた夢なら、覚めるな』なんてどうでしょうか。



ではでは。
お楽しみいただければ幸いです。





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「―――よ。遅かったじゃん」

「悪いわね、女の子は準備に時間がかかるものなの」


夏のある日の夜。
ある男女が、公園で待ち合わせをしていた。

地元で行われる夏祭り。
何かと腐れ縁である彼らは、いつの間にか気が置けない仲となりこうして今日も、2人で外に出ていた。

お互い大学生とはなったものの何故か、異性に恵まれず傍から見れば“ぼっち同士のつるみ”。


そんなわけで今日も今日とて、友達がいない似た者同士でサークル終わりに地元の祭りに参加しているわけだ。


「ほぉん、お前が女子ねぇ……」


男が、意外そうな視線に嘲笑も交えて女の格好を眺める。

女は久しぶりに棚の肥やしとなっていた浴衣を引っ張り出してきたらしかった。


「…なによ、一人で張り切って馬鹿みたいとでも思った?」

「………いや、別に。」


___それよりも早く行こうぜ、花火上がっちまう前に飯とか確保しておきたいだろ。



互いに何の気まずさがあったのか一瞬の沈黙が降りる。
……が、何でもない風に男が話を繋ぎ止めて進めた。

少し多くなってきた人に紛れて彼を見失わないように気をつけながら、彼女は少し拗ねる。


「ほめてくれたっていいじゃん……って、アイツに期待するだけ無駄かなぁ」


___女の子はそういうところに気付いてほしいのに。だから何時まで経ってもカノジョができないのよ。



心のなかで毒づいた言葉は勿論男に届くことはない。

「(それでいい。アイツの良さは根気強く隣りにいてやらないと気付けない。それなら―――)」



「(―――それなら、私だけが知っていたい…なんて。口が滑っても言えないわね)」



女は人知れず、男に想いを寄せていた。

和歌で言うならば「忍れど」。
けれど彼女は周りに気づかれていないという点で違いはあるが。


デリカシーはないし、気配りはできないし、大雑把で適当。
そんな彼に想いを寄せるなんざ、公言してみれば遠回しに非難されるだろうが。

―――無視すればいいだけである。なぜ男の好みを他人に否定されねばならぬのだ。


よく見てれば、無愛想な印象から大人と感じるのに、子供っぽさを持っていたり。

タイムリーな話題に興味津々だったり。


付き合えば付き合うほどに、これでもかと魅せつけられるギャップが、彼女を屈させたのだった。


「(アンタたちが、アイツの何を知ってるんだって言われたら言い返してやるつもりだけどね)」



………つまるところ、女はあわよくばこの夏祭りというセッティングされた舞台を利用して想いを伝えてしまいたいという目論見がある、というわけである。







「―――っおい、どこ行こうとしてんだよ。……なにか考え事でもしてたのか?」


背の方からかけられる声に振り返ると、渦中の男が息を切らして駆け寄ってきていた。

「……あ、ごめん。見失っちゃって…ごめんね」


「あ…いや、わりい、俺もお前置いて一人で行っちまってたし」


またもや沈黙。

最近はなにかのひょうしにお互い黙ってしまうことが増えているようで。

男は口では謝るものの、頬をかいて横を向いている。
そのせいで表情は女からあまり見えないが―――、少し赤らんでいた。


男は、付いてきてると思っていた彼女が振り返ると見当たらなくて焦ったそうで。


それはそれは、ただの友達に対しては大袈裟なくらいに。



―――つまり、男もまた彼女のことを密かに想っているのである。


彼が異性に恵まれないのは、単純に女子があんまり好きではないためらしいのだが。

それはあくまで、集団で行動する女子を指す。
大学に入って、周囲の人間関係がはっきりしてくる頃になっても群れず独りでいる彼女に興味を持ったことがきっかけだった。


なんとなく興味を持って、そしたら何となく惹かれて。

確かについ最近まで“女友達”だったのに、――それまで彼に経験がなかったことにも由来するが――様々な“初めて”を共にするうちに“異性として”惹かれていた。



あわよくば、今日この機会に“この関係”を抜けて、次へ進めないだろうか―――時を同じくして男もまた、そう想っているのであった。



「は…はやく行こうぜ、俺が前に見つけてた穴場。無事に誰にも見つかっていないみたいでさ、まだ誰も居ねぇんだ」


____お前に、早く見せてあげたい。


「(……なんて、口が裂けても言えねぇ。俺“そういう柄”じゃねぇし…)」















―――ひゅうぅぅう〜……っ、ドンっ…!


「すごいねぇ…今の、特に大きかった」

「青色って確か作るの難しいんじゃなかったっけ?あんなでっけぇの作れるもんなんだなぁ」



時は少し経ち……といっても小一時間ほどなのだが、夏祭りの熱気は最高潮に達し、空には大輪の花が舞っていた。

お待ちかねの花火である。



___日が沈みきった夜に、夏の夜に、想いを寄せるヒトと2人。


花火が打ち上げられるときの、お腹の底から響く音に負けないくらい……互いの鼓動は高鳴っていた。



無論、2人とも両片想いなことは気付いてるはずがなく。


“自分だけ、勝手に。”



そう思っている自分への恥ずかしさも相まってその熱を上げている。


男は、花火に見惚れる女の横顔を覗き見た。

花火の色彩に映されて輝く瞳に、密かに息を呑む。



「なあ―――」


「―――ねぇ、」



勢いのまま、思いを伝えてしまおうかと口を開いたその瞬間。

全くの偶然、女も声を上げる。


「…あっ、ごめん。なに?」

「いいよ、おさきに。」



「そう…?たいしたことないのよ、ただ……」


___今気づいたんだけど、月も見えるんだね。よく映えて、すごい綺麗じゃない?




女は、ただ単に純粋な感想を伝えただけである。

正直に言えば、何を話せば良いのか分からなくて当たり障りない話題を探していたところに偶然、月を見つけたというところなのだが。



「(―――これだ。)」


男は何かを思いついたようだった。


今までまともに人間関係すらなかった人が、直接言うのは小っ恥ずかしい。

けれど、引きずりたくもないから今日伝えようと決めてきた。



―――肝心の台詞が思いつかなかったけれど。

“月”というワードに、ひらめいた。


タイミング的に、今しかない。



言え。

言うんだ、。

今言わないと―――。



「そう…だな。俺も今気づいたよ」


「―――“月が綺麗ですね”。」



通じるかわからない。

男は一世一代のチャンスに、そんな“賭け”をした。


隠し言葉だ。

かの有名な、夏目漱石の。





「そうだね……って、何で敬語なの―――」

女は、相槌を打ちつつ唐突な敬語に振り向いた。


“月が綺麗ですね”。

たしかに今、そう言われた。



___それは確か、告白の言葉ではなかったか?



男に好意を抱き始めた頃、女はその類を調べたことがあったから気付いたのだ。


既に良好な関係を築きつつあったから、気付いて“しまった”のだ。

「(恋バナなんてするような、甘酸っぱい青春のような関係じゃない)」



どちらかというと、ハッカ飴のような辛いというか、どこかハッキリしているもので。


だから、伝わらなくてもいいから想いを告げられる方法を―――と思って一時期、狂ったように返事やらも含めて。



「(―――いやいや、他意の可能性だって。だって、アイツだよ…?)」

確証が持てなくて、暗いなか見えにくい男の表情を読もうとする。


花火が打ち上がる度に少しだけ見える、男の顔は―――。



すこし赤くて、けれど開き直ったような、そんな表情。



____信じる、よ?

「(期待して、いいよね?)」




いつだったかに調べまくった記憶を手繰り寄せる。

相手の想いに、応えられるときの返事は。












「“ずっと前から、月は綺麗でしたよ”。」













fin.









わーー、長くなってしまった。。

こだわり過ぎた…読みにくかったらごめんなさい。


今回は、夏目漱石で有名な「月が綺麗ですね」=「I love you.」を題材にしました。


しばらくこれの類語で一話完結シリーズを書こうかな。


最後の返しについては、是非調べてみてください。

返事にも色々とあって興味深かったです。。



どうも感情表現、とくに変化の過程が長くなってしまうのが課題ですな、、。

それの練習場所にしつつ、是非感想やアドバイスくださいっ。


四日くらい作るのにかかった。。

構想はできてたんですけど、どうも言語化が難しくて。


急募:語彙力


状態です。。



とりあえず、今回はここまでにしようかと思います。
お話が長くなってしまった。。


毎投稿、5000文字目安で頑張ります。



リクエストあれば受け付けますので気軽にどうぞっ。



それでは。






―――何とか書き上げられたよ。




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𝕞𝕚𝕜𝕠𝕥𝕠@小説垢


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