【小説】嘘吐き看護婦

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最高ランク : 116 , 更新： 2016/02/08 4:37:33

とある病院のとある看護婦は、嘘吐きで有名でした。

末期患者には

「すぐ良くなりますよ」

不治の病の患者には

「いい薬があるんです」

酷い治療が必要な患者には

「とても楽な治療ですよ」

そんな嘘をついていました。

ある日、彼女の病院にひとりの男性がやって来ました。

それは彼女の最愛の人でした。

彼は末期のガンで、彼女の病院で延命治療を受けに来たのです。

彼女は泣き叫びました。

彼にも嘘を吐くのか。

いつものように笑顔で吐こうか。

彼女は悩んで悩んで、悩みました。

ある晩、彼の夕食を彼女が届けに来ました。

それは他の患者さんとは比べ物にならないくらい豪華な食事でした。

何かを悟った彼はその食事を食べながら彼女に聞きました。

「僕はよくなりますか？」

いつも笑顔の彼女は泣きじゃくりました。

彼女は涙と嗚咽を混じらせ、初めて本当の事を言いました。

「ええ、じきに楽になるわ」

おわり

美談なんてあるわけないです。

授業中にボールペンですっげぇガリガリ描いたけどかなり地味って言うかね。